症例名:症例3 低栄養褥瘡症例?

日付:2016年10月14日

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本症例は1931年生まれ。ケアポートみまきの住人。

1999年大腿骨骨頭骨折にて、人工骨頭移植術を受けた。

同部のMRSA感染生じ、人工骨頭は異物化し、認知症と併せて寝たきり状態。

C2レベルである。

 

菓子類を多食し、日常の食事は少ない偏食傾向のため、栄養障害がある。

 

Alb:3.0-2.6レベルの血清アルブミンは低値である。

 

 

コメント
これまで、褥瘡の発症要因として、局所の圧迫による循環障害と栄養障害(特に、アルブミン値の低下)が重要視されていた(勿論、循環障害と栄養障害はその原因の一要素であることは間違いない。)が、私共は現在、褥瘡の主要因はZn欠乏であると考えている

ほとんどの褥瘡は亜鉛補充療法で治癒するとしてよいが、当然、少数である亜鉛欠乏を主要因としない褥瘡が存在することは事実で、その条件を今後追求して行こうと、私共は考えている。

 

亜鉛欠乏を主要因としない褥瘡。

①死亡直前のもの、

②全くの介護放棄のもの、

③広範な感染を伴うような特殊なもの

等は亜鉛を主要因としていないものと考えるが、

 

その他、

③糖尿病、

④脊損例、

⑤極端な低栄養例など 

検討を要すると考えている。

大部分の褥瘡はまず亜鉛補充療法で、治療を開始することで間違いないと考えている。

 

 

 

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