症例名:症例1 膿疱性乾癬の疑い?(+口唇、口角炎、舌痛、味覚障害)

日付:2016年10月14日

2006.01.04.初診。
○1995~96年頃から5月から7月にかけ、両手掌に発疹が始まる。
○1998~2000年頃からは毎年発症し、発疹は手掌から前腕に及び、12月頃から剥皮落屑も軽快し、殆ど普通の皮膚となる。
○2000年2月体調を崩し、それから、舌先端に痛み生じ、通年となる。

 

今回は
○2005年秋から、上下の口唇、口角炎。舌も割れて痛みあり。
○10月より、右手掌から水疱で発症し、掻痒強く、掻爬。浸出液がでて、発疹は両手掌、手背、前腕へと広がり、癒合して紅斑落屑を生ずる。背部、両大腿にも同様の皮疹が広がり、顔面にも発疹。
○4年程前から2~3の病院皮膚科に通院、軟膏療法など受けるが軽快せず。

 

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皮疹が急速に軽快して行く経過

 

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○皮疹は亜鉛補充両方によって、急速に軽快し、口唇、口角炎、舌痛等のいわゆる亜鉛欠乏症状や潜在していた食欲不振もすぐ治癒した。

○しかし、病苦?からのアロエや湯治、不明のクリーム使用のためか??両前腕、手背の皮疹のみは治癒遷延した。

○06.07.30.プロマック二ヶ月分の投与を受け、その後受診を中止した。

 

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2007.02.23.【はがきによる報告】

○2006.08.  多忙で受診せず。

○2006.10.中旬 数泊の島への旅のあと、両前腕のかゆみが無くなり、その後、自然に治癒す。

○2007.02.23. 全く綺麗で以前の皮疹の面影全く無し。

 

治癒経過詳細

2006.01.04.

[ Hb:12.3 Alb:4.2 Zn:74 Al-p:253 ]

試みのプロマック投与開始。

 

 

2006.01.10.

口角炎の亀裂治まる。これまでの薬そのまま。

 

 

2006.01.24.

可成り良くなった。掻痒感10→05に減少。レスタミン以外中止。

[ Zn:82 Al-p:294 ]

 

 

2006.02.21.

食欲でる。

[ Zn:76 Al-p:267 ]

 

 

2006.03.28.

食欲もりもり。全体として大変良いが、両前腕アロエで悪化。

[ Zn:79 Al-p:251 ]

 

 

2006.04.26.

人に勧められ、某温泉で湯治。両上肢、顔面悪化。その他はどんどん良くなる。

[ Zn:94 Al-p:301 ]

 

 

2006.05.30.

非常に良い。掻痒に対しては、レスタミン軟膏、エバステルのみ可とする。

[ Zn:70 Al-p:288 ]

 

 

2006.06.28.

両前腕のみ治癒が遅れている。何故か?

[ Zn:83 Al-p:304 ]

 

 

2006.07.12.

他は殆ど良いのに、両前腕のみ変である。人に勧められて、某ハンドクリームを使用していた。

訳のわからないものは、中止!!舌、口角炎はすっかり良い。

 

 

2006.07.31.

ハンドクリーム中止して、前腕、手背も可成り良くなる。食欲上昇し、美味しいという。

[ Zn:71 Al-p:250 ]

 

 

◎プロマック八週間分もって、受診しなくなる。

 

 

 

臨床の現場では、患者さんは症状が改善するとしばしば来院しなくなる。症例の研究をしていての一番の問題点である。
この症例は病状の経過、舌痛、口角炎、潜在の食欲不振の改善、亜鉛補充療法による皮膚症状の急激なる改善から、亜鉛欠乏症による皮膚疾患と考えて良いと思う。
亜鉛の欠乏状態が徐々に改善されて、どのような状態になると皮膚症状が全快するのか?興味のあることである。

又、この症例はZn値もAl-p値もあまり大きな変動を示していない。事実として記載しておく。

 

 

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